急いでいない日に限って、横断歩道の赤信号がいつもより長く感じられます。

すぐ次へ進まず待つことで、その場にある音や形を受け取りやすくなります。まずは信号が変わるまでの時間が目に入ったときのことを、そのまま一つの読みものにしてみます。

結論がなくても、気になったという事実は残ります。今日はその小さな引っかかりを置いておきます。

待つ時間にも、見えるものがある

止まっているあいだは、向かいの店や隣で待つ人の靴など、歩いていると見ないものが目に入ります。

待ち時間は、何かで埋めるべき空白に見えます。けれど数分なら、始まる前と終わったあとを分ける静かな間として使えます。

信号が変わるまでの時間に気づいた理由は、あとから考えてもはっきりしないことがあります。それでも、その瞬間だけ普段の流れから少し外れたことには、小さな面白さがあります。

特別な出来事がない日にも、こうした小さな場面はいくつもあります。言葉にすると短くても、その日の手触りを十分に伝えてくれます。

手を動かさない数分を埋めない

青になるまでスマートフォンを出さず、目の前にあるものを一つ眺めてみます。

何もしないと落ち着かない日はあります。それでも、全部の空白へ画面を持ち込まない時間が一つあると、一日の速さが少し変わります。

ここで見つけたいのは正解ではなく、自分に合う距離です。近くで見る日と、気にせず離れる日があってもかまいません。

終わったら、また日常へ戻る

終わりの合図が来たら、考えをまとめず、そのまま次の用事へ戻れば十分です。

大きな意味を足さず、目に入ったことをそのまま覚えておくのもよさそうです。

明日も同じようにする必要はありません。次の一回を、その日の気分に合わせて選べばよさそうです。