いつもの角を曲がらず、そのまま少し先まで歩いてみる。急いで帰らなくてよい日には、そんな小さな遠回りをすることがあります。

目的地は同じ家なのに、知らない道を通るだけで少し遠くへ来た気分になります。時間にすれば、ほんの数分の違いです。

角を一つ変えると知らない景色がある

毎日通る道では、どこに何があるかをだいたい覚えています。足も自然に曲がるので、景色を細かく見ないまま進めます。

一本向こうの道へ入ると、小さな店や家の植木が急に目に入ります。いつも近くを歩いていたはずなのに、知らない場所のようです。

遠くへ出かけなくても、見慣れていないものは残っています。近所は、知っているようで全部は見ていない場所なのだと思います。

遠回りには小さな発見だけあればいい

違う道を選んだからといって、面白いものが必ず見つかるわけではありません。住宅の壁が続き、そのままいつもの道へ戻ることもあります。

それでも、見たことのない自動販売機や、窓から漏れる明かりを一つ覚えていれば十分です。誰かに話すなら「今日は違う道で帰った」だけでも会話になります。

立派な発見を探し始めると、帰り道まで取材のようになります。ぼんやり歩き、気になったものだけ眺めるくらいがちょうどよいものです。

いつもの道へ戻ると少し安心する

遠回りの終わりに見慣れた角へ出ると、知らない場所から戻ってきた感じがあります。ほんの近所なのに、いつもの景色が目印になります。

同じ道を歩く安心も、違う道を歩いたあとには少しよく見えます。毎日変える必要はなく、たまに外れるから遠回りになります。

今夜はもう家へ向かいましょう。次に時間がある日には、反対側の角を一つだけ曲がってみてもよさそうです。