さっきまで窓に当たっていた雨の音が止まります。カーテンを少し動かして確かめると、道にはまだ水が残っています。
窓を指の幅だけ開けると、湿った風が部屋へ入ります。外へ出なくても、雨が上がったことがわかります。
雨のあとの風には外の匂いがある
晴れた日の風とは違い、雨上がりの空気には濡れた道や土の匂いが混ざります。好きかどうかを考える前に、外の様子が近くなります。
部屋の中に長くいると、同じ温度や匂いに慣れています。窓から違う空気が少し入るだけで、閉じていたことに気づきます。
大きく開ける必要はありません。雨粒が入らない幅で、風の通り道を一本作るくらいで十分です。
遠くの音が戻ってくる
雨のあいだ聞こえにくかった車や人の足音が、また少しずつ戻ります。傘を閉じる音や、水たまりを避ける足取りもあります。
窓を開けると、部屋だけで完結していた時間に外の続きが加わります。何をしている音かわからなくても、街が動き始めたことは伝わります。
聞き続けなくてもかまいません。数分だけ外の音を入れたら、また静かな部屋へ戻せます。
冷える前に窓を閉める
雨上がりの風は、思ったより冷たいことがあります。気持ちよくても、腕が少し冷えたら閉めどきです。
窓を閉じると、さっきまでの部屋とは空気が少し違います。何かを片づけたわけではないのに、場所が軽くなったように感じます。
最後に窓辺の水滴を一度拭いて、いつもの場所へ戻りましょう。